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私のような重度障害者の歯科治療を引き受けてくれるだけでも、ありがたいことなのに、治療の初日、席に着くと、目の前に並んだ医療器具の説明からはじめ、これから、どんな目的で、どのような検査をするか、治療にはどのくらいの期間を要するか、丁寧なインフォームドコンセントをしてくれました。私のように、言語障害があったりすると、知能も劣っているものとみなされ、適当にあしらわれるかのような治療をされることがしばしばだっただけに、なおのこと感激でした。歯医者通いの好きな人は、まずいないだろう、と思います。私も、まだ歯垢をこそぎ落としている段階なのですが、まったく痛くない、ということはないのです。あの道路工事に使う、エアーハンマーを、精密にミニチュア化したような器具が、当たる箇所によっては、けっこう痛いのですが、先生との会話も面白いので、治療が完了するまで通院しよう、と思っています。いささか、イエロー・ジャーナリズム的発想をすれば、親が築いた社会的地位や信用や財産を守りたいがために、歯科医という職業を世襲したり、ただ単に高収入を得たいがために、歯科医という職業を選択したのであれば、わざわざ私のような重度障害者の歯科治療を引き受けたりはしないだろう、と思います。重度障害者の歯科治療をしている、ということが良好な評判や何らかの地位や名声につながることもあるかもしれませんが、治療の際の労力や時間や細やかな気遣いを考えると、あまり効率のいい宣伝方法とも思えません。この先生、“日本成人矯正歯科学会”という珍しい学会の理事として、名前を連ねている人なので、私のように治療の難しい患者を診ると、逆に歯科医師としてのファイトが湧くのかもしれません。医療機関の不祥事が報道されることの多い昨今、久々に心優しい歯医者さんにめぐり会いました。
2003年11月 男性 50代 守隨秀章